西多 晶規
「優先順位をつける訓練」を怠らない
結婚ではそうでなくても、仕事などでは、日本人には理想家が多く、「完全にしなければならない」強迫傾向の強い日本人は、わかっていても全ての目的を達成しようとして、欠点や妥協を受け入れることが苦手です。
「あれも、これも」と欲張って、結局自分が苦しくなってしまう、あるいは欠点や短所を許せなくなって腹を立ててしまう。
何かを捨てる、あきらめる代わりに、欲しい果実をもぎ取る。マクロな意味で何が大切かを、いつも考えておく練習が必要。
そうしておかないと、全部欲しい欲張り思考になってしまって、最終的に損をしてしまいます。
ビジネスから日頃の買い物まで、決断や判断を下す際には、譲れない条件はもちろん押さえておくとして、「どの条件を捨てるか」もはっきりさせるクセをつけておきたいものです。
程度の差はありますが、6〜8割で満足する食生活を続けていれば、精神的にも健康を維持できる確率が上がります。なにより、満腹になるまで食べなければ気が済まないようでは、欲求不満に耐える力が低下し、「キレやすく」なる傾向も強くなってくるかもしれません。
「睡眠不足」はテンパる最大の要因
睡眠不足は、仕事のパフォーマンスだけでなく、精神面や身体面での健康に影響を及ぼすようになってきます。
ワーカーホリック
手本にする「メンター」を持つ
「テンパらない」人を目指すのであれば、リスペクトできるリアルな人物を「メンター」として持っておくのが実践的
メンターは、仕事がデキる人であることが必要条件ですが、人格的にも優れていなければメンターの資格はありません。
実際に接触する時間の長いリアルな人物からのほうが、歴史や物語上の人物よりも人格形成に与えるインパクトは大きいのです。
同じ職場を離れてからのほうが、メンターのありがたさを知る機会が増えてくると思います。
公私にわたって頼れる、ちょっと「甘えられる」先輩がいれば、時には会って旧交を温め、こういう関係を切らさないことも、「テンパらない」ための地道な努力です。
転職や部署移動、未経験の趣味を始めるなど、新しいチャレンジは不安とストレスを伴うが、新しい経験によって「テンパり」を多く経験するほど、ちょっとのことでは「テンパらない」学習効果が生まれてくる。
同じことをコツコツ続けることも重要だが、ここ数年新しいことにチャレンジしてなかったら、思考や行動がマンネリ化している可能性大。
適度な「テンパる」経験は人を成長させる。
見知らぬことに手をつける、知らない人との交わりに顔を出すといった行動は不安と緊張を伴います。しかし、不安や緊張が強いほど、克服したときの喜びや達成感は格別なものがあります。
新しい挑戦を忘れず、たとえ「テンパって」もしなやかな精神力をつけていきたいものです。
「想定外」の事態に対応する柔軟性も持っておく必要がある。
自分の思い通りに進まないと気が済まない、他人のミスを許せない、「こうあるべきだ」と思い込んでいる。
こういうタイプの人は、「想定外」の事態にもろい可能性があります。
現代社会の過度な便利さが、「想定外」への耐性を奪う。
予想外のことが起こった危険的状況のときこそ、人間性を問われるタイミング。
「失敗談」をネタにできる人は、好かれる。
自分の弱みをさらけ出す人には、人間は「何かしてあげたい」という気持ちが働き、親近感を持ちます。
その結果、優しくなれるのです。
自慢話をする人からは、人は遠ざかっていきます。
失敗談をネタにできる、こころに余裕がある人こそ魅力的であり、まわりの人も「なにかこの人のためにしてあげよう」という気になります。
そして重要なのが「まじめ」であること。
あくまで真摯な姿勢で取り組むのが基本。
まじめな人が面白いことを言うとウケるのは、単純ですが変わらない真実である。
「完璧主義」
テンパってしまう落とし穴も隠れています。
完璧主義がオーバーになったり、後ろ向きな態度になってきたりするととたんに苦しくなってきます。
どんどん自分を追い込んでいく。
「歪んだ認知スタイル」は抑うつを引き起こし、テンパるだけでなく、うつにも親和性が高い。
「ちゃんとやらなきゃ」と力が入りすぎていませんか?
失敗を恐れず、不完全を認めるスタンスが、不健康な完全主義から脱するポイント。
完全なクオリティだけを追い求めることがゴールではない。
ゴールを一つに絞ってしまうと、「テンパる」罠にはまってしまう。
ある程度のところで、「エイヤッ」と見切りをつける。
いつまでも「100%」を求めてビクビクしているのでは、「テンパって」結局得るものは小さくなってしまう。
倫理観を一段だけ下げ、「プチいい加減」になる。
「すべき思考」が強まると、思考の柔軟性がなくなる。
恐ろしいのは他人を許せなくなる、罰したくなる気持ちが湧いてくること。
寛容の気持ちが失われて、ささいなことで相手をなじりたくなる。
他人を受け入れることのできない余裕のなさが「テンパり」に拍車をかける。
「ゼロリスクなどありえない」ことを頭に入れておく。
「仮説」を立てる力を養う
「冷静な人ならどう考えるか?」という立場からら、自分の「テンパり」を再評価するようになると、人間性が一回り大きくなれます。
他人と「わかりあえない」ことが普通と考える
人同士が理解し合うことは、不可能ではないかと思うくらい、難しいことで、他人の価値観、考え方は、自分のものとは決定的に異なる
人間の脳に、「わかりあえない」ヒントが隠されています。何故かと言うと、人間の脳は非常に自己中心的な情報処理システムを取っているから
「他人の悪口を言わない」と決意する
「天に唾つばする」行為
グチや批判は「後味よく締めくくる」ことが肝心
終わりよければ・・・ではないが、最後の印象は脳に残りやすい傾向がある